2011年3月の東京電力福島第一原発事故で避難を余儀なくされた住民らが国に損害賠償を求めた4件の集団訴訟の上告審で、最高裁第二小法廷は17日、国の責任を認めない判決を言い渡した。同小法廷は「発生した地震や津波は想定より規模が大きく、国が東電に対策をさせていても原発事故を防げなかった可能性が高い」」と述べた。裁判官4人のうち3人の多数意見。三浦守裁判官は反対意見を付けた。
原発事故後、1万2千人の住民らが原告となり、東電と国を訴えた集団訴訟が現在、全国で30件ほど起きているが、今回、第二小法廷が判断を下したのは、高裁判決が先行した福島、群馬、千葉、愛媛の4訴訟。東電に対する損害賠償は今年3月、東電の上告を棄却して、計約14億円の追加賠償が確定したが、今日の判決で、国の責任は否定した。