【政策提言】放送通信の免許事業・監理を独立機関へ
内閣府が実施している「国民の声」に対し、OutrPlanetTVとして本日、以下の意見を提出しました。
放送通信の免許事業・監理を独立機関へ
放送や通信の免許事業および規制を、国家(総務省)が直接監理する制度を見直し、独立行政委員会を設立すべきである。同時に、市民が情報通信(コミュニケーション政策)の立案に参加できる制度を整えるべきである。
日本は、OECD諸国の中で唯一、放送や通信免許を国家が監理している。放送通信行政の透明性が極めて低い上、免許をめぐって国と放送局の癒着が起きやすく、言論機関としての放送局の中立性を損ねる制度となっている。また、国民の声を吸い上げるシステムも一切なく、事業者中心の議論しか行われいない。
また、予算などの面から見た場合も、無駄が多い。世界でもっとも大きな組織と権限を持つ米国のFCCの年間予算規模は300億円で職員数は2000人。(2010年)これらは全て電波料でまかなっている。
これに対して、日本にある全国の総合通信局(職員数1439人)の予算規模は147億円だが(平成19年 地方分権改革推進委員会事務局による)、これとは別に電波料収入が年間650億円(平成19年実績)を得ている。この電波料は国庫に入らず、総務省が独自に使用している。つまり、日本の放送通信行政には、国会予算147億+電波料797億円=計944億と米国の2倍以上の予算規模となっており、無駄が多い。この電波料収入による特別会計は、過去、職員の温泉旅行に使用されていたことも明らかになっており、即座に見直すべきである。
放送通信分野の独立行政委員会の設置は民主党のマニフェストにも掲載されていたが、放送法改正により、議論が打ち切られている。地デジ移行もほぼ終了し、ホワイトスペースなどあたらな帯域をめぐる議論が行われている今こそ、他の先進諸国と同様、国家から独立した電波監理のシステムを確立すべきである。
なお、2008年の民主党のマニュフェストに記載されていたものの総務省の抵抗によって、議論は中断している。制度の見直しにあたっては、総務省主導では実現不可能であるため、内閣府が主導すべきである。
内閣府「国民の声」(10月14日12時締め切り)
http://www.cao.go.jp/sasshin/kokumin_koe/2011youkou.html