イベント
2025/02/13 - 17:44

【核被害と人権】つながる、黒い雨×甲状腺がん〜沈黙を乗り越え、封じ込めを破る〜

核エネルギーが開発されて80年が経ちます。しかし、日本政府はこの間、原爆投下や核実験に伴う内部被曝の影響を軽視し、被害者を切り捨ててきました。2011年に起きた東京電力福島第一原子力発電所事故においても、同じ文脈で被害の封じ込めが行われています。

そうした国の姿勢に一矢報いたのが、広島の「黒い雨」訴訟です。この裁判の結果、被爆者健康手帳の交付対象地域が大幅に見直され、新たに6,000人もの人々が手帳を手にする道を拓きました。今回は、その「黒い雨訴訟」原告団事務局長の高東征二さんをお招きし、勝利を勝ち取るまでのご経験をお聞きするとともに、今なお、沈黙を強いられている福島の甲状腺がん患者との間に横たわる共通の課題を探ります。国が認めていない内部被ばくによる核被害者同士が繋がる貴重な機会です。ぜひご参加ください。

基調講演:高東征二さん(広島「黒い雨訴訟」原告)
4歳の時、爆心地の西約9キロの自宅で原爆に遭った。高校教諭を退職後、2002年に「佐伯区黒い雨の会」を設立。12年には、58人の証言をまとめた『黒い雨 内部被曝の告発』を刊行。15年に提訴した「黒い雨」訴訟には原告として加わり、本人尋問や意見陳述にも立った。現在は、原爆「黒い雨」被害者を支援する会事務局長を務める。広島市在住。

基調講演:高東征二さん(広島「黒い雨訴訟」原告)
証  言:311子ども甲状腺がん裁判原告
コメント:アイリーン・美緒子・スミスさん(環境NGOグリーンアクション)
     森本麻衣子さん(青山学院大学法学部ヒューマンライツ学科)
司  会:小山美砂さん(ジャーナリスト)

  • 日 時:2025年3月6日(木)18:00~19:30(開場17:30)
  • 会 場青山学院大学 青山キャンパス1号館 2階 123教室(東京都渋谷区渋谷4-4-25)
  • 参加費:無料
  • 定 員:100人
  • お申込Peatix、お電話(03-3296-2720)、メール(info@ourplanet-tv.org)にてお申込みを受け付けています。メールでお申込みの際は件名に「3/6イベント申し込み」とご記入の上、「お名前」「ご所属(任意)「メールアドレス」をinfo@ourplanet-tv.orgにお送りください。

黒い雨訴訟とは
広島に原爆が投下された直後に降った「黒い雨」による被ばく問題を訴えた訴訟。2015年、国が定めた援護対象区域の外側で雨を浴びるなどした住民たちが、「被爆者」認定を求めて広島県と広島市を相手に提訴した。2020年の広島地裁、2021年の広島高裁とも、飲食や呼吸による「内部被ばく」の危険性を指摘し、原告全員を「被爆者」に認定。提訴後、被告に加わった国は最高裁への上告を断念し、2022年4月にはじまった被爆者認定基準のもと、新たに6000人以上が救済された。しかし、この基準でも被爆者に認定されなかった住民による第二次訴訟が広島地裁、岡山地裁で続いている。

311子ども甲状腺がん裁判とは
2011年の東京電力福島原子力発電所事故に伴い放出された放射線被ばくが原因で甲状腺がんを発症したとして、事故当時福島県に居住していた6歳から16歳の男女が、東京電力に損害賠償を求めた訴訟。2022年1月27日、東京地裁に提訴した。小児甲状腺がんはチェルノブイリ原発事故で唯一、国際機関が因果関係を認めている晩発的な病気。原告は、通常100万人に1〜2人程度の小児甲状腺がんが、原発事故後、福島県内だけで400人近く見つかっているのは、被ばくが原因だと主張している。福島原発事故では、国際尺度で最高のレベル7の放射性物質が放出。経済産業省原子力安全・保安院(当時)は2011年、放出量について、広島原爆と比べ、セシウム17が168倍、ヨウ素131が2・5倍にあたると発表した。

◉チラシ(PDF版)はこちらからダウンロードできます

<共催>
青山学院大学法学部ヒューマンライツ学科森本ゼミ
311甲状腺がん子ども支援ネットワーク
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