イベント
2010/08/24 - 14:41

検証・日本のメディアアクティビズム

この度、OurPlanetTVのメンバーや国内の様々なメディア開くティビストが協力し、メディアアクティビズムに関する勉強会を企画しました。日本のメディア運動のこれまでを振り返り、これからを展望する全6回シリーズです。
この勉強会は、今までのメディア運動の成果と問題点を整理し、浮かび上がった課題を共有していくことを目的としています。ディスカッションの時間も多く取り、メディアアクティビスト達の横の繋がりを強めるアイデアが生まれてくるようなイベントにしたいと思っています。

第1回 【自主メディアの夜明け】
8月26日(木)19時~21時半頃
[ゲスト]:伏屋博雄(元小川プロプロデューサー)
小林はくどう(ビデオ作家、NPO法人市民がつくるTVF代表理事)
[司会]:本田孝義(映像作家、VIDEO ACT!スタッフ)

かつて映画は大資本の映画会社が作るものだった。社会運動が盛り上がった1960年代~70年代、運動と並走するように自主製作・自主上映によって数多くのドキュメンタリ ー映画が生まれた。小川プロダクションが製作した三理塚シリーズはその代表的な作品である。一方、ビデオはテレビ局が使う高価なものだったが、1960年代末頃からポータブルビデオカメラの開発が進み、個人によるビデオ制作が始まった。1978年、日本ビクター主催により東京ビデオフェスティバル(TVF)が産声を上げる。同フェスティバルはいち早く「市民ビデオ」という概念を掲げた。

第2回 【ペーパータイガーTVと日本のメディア運動】
9月30日(木)19時~21時半頃
[報告]:松原明(ビデオプレス・レイバーネット日本)

1991年湾岸戦争支持一色のアメリカの中で、反対の声を挙げた市民メディア「ペーパータイガーTV」は衝撃だった。かれらの来日を機に、92年日本でも「民衆のメディア連絡会」が結成された。
連絡会は、その後約10年にわたって、自主ビデオ制作・上映・交流集会・勉強会・共同ビデオリスト発行などを展開した。連絡会はまた、VIDEO ACT!(98年発足)・レイバーネット(2001年発足)などを生む母体になった。このパートでは、連絡会を中心にした90年代のメディア活動を映像を交えて振り返り、課題・問題点を整理してみたい。

第3回 【市民メディアの勃興、挫折、現在】
10月27日(水)19時~21時半頃
[トーク]:下村健一(市民メディアアドバイザー)
白石草(OurPlanet-TV)

1995年以降、ビデオカメラやインターネットの普及によって、市民による様々なメディアが全国に誕生した。2004年には名古屋で市民メディア全国交流集会が開催され、以降、メディア同士の交流が深まっている。その一方で、韓国では成功したオーマイニュースが日本に上陸するも、失敗。日本では、市民メディアは育たないという声も囁かれた。市民メディアは今、どこにいるのか。
これまでの課題と成果を共有し、今後の可能性を探る。

第4回 【ネットアクティビズムとは何か】
11月25日(木)19時~21時半頃
[ゲスト]:印鑰智哉(NGO/市民運動のICT活用助っ人@tomo_nada)
[進行]:安田幸弘(レイバーネット日本共同代表)、松浦敏尚(市民メディアセンターMediRスタッフ)

私たちは、人との出会い方、行動への参加の仕方、行動の記録と共有の仕方などにおいて、メーリングリストやチャット、ブログ、SNSなどの発展とともにダイナミックに変化する日常を生きている。
世界でも日本でも80年代後半から、オンラインネットワークを通して、人と人や、人と組織の間のコミュニケーション回路をどう創出し変容させていくのか、ここに強い意識をもって行動する人々が現れ始めた。彼らは、オンライン上での表現の自由と通信の秘密はどのようにして保障されるべきかというテーマも提起した。日本ではJCA-NETが90年代後半から活動を始め、黎明期の貴重な成果を築いてきた。近年では08年のG8洞爺湖サミットで、G8メディアネットワークが独自のサーバを駆使してオルタナティブな情報発信のプラットフォームを実現した。しかし、日本の社会運動はオンラインとオフラインのアクションをうまく結ぶことに成功しているとはいえない。90年代から国内外のNGOやJCA-NETで活動し、様々なサイバーアクションに挑戦してきた印鑰智哉さんをゲストに、日本社会でぶつかる大きな壁とそれを突破するために必要な道筋について考える。

第5回 【身体的メディアの実践】
12月16日(木)19時~21時半頃
[トーク]:成田圭祐(Irregular Rhythm Asylum)、細谷修平(メディアチャンポン)、その他、複数

テレビ、インターネット、情報のひとつひとつに向き合う時間すら与えず、大量な情報の渦は僕らを呑み込もうとする。溢れる視覚メディアは、様々な演出によって「選ばれた出来事」を僕らに植えつけ、思考をも蝕み、緩やかなしかし確かな統制をもくろんでいるようだ。いやはや、いまに始まったことじゃあないが、こちとら軍隊じゃねえんだよ。
この回では、バナーやプラカード、ステッカー、zineといった手触りのある複数のメディアの実践や、インフォショップといった空間的身体的メディアについて、その発生源の1つともいえるDIYパンクシーンなどを通して話し合う。

第6回 【ネットでの動画配信の発展と課題】
1月26日(水)19時~21時半頃
[トーク]:小林アツシ(映像ディレクター、ビデオアクト反戦プロジェクト・スタッフ)、白石草(OurPlanet-TV)他、現在交渉中

2001年9月11日以降にアメリカが起こした「対テロ」戦争は、それに抵抗する側からのインターネットを使った動画配信を発展させた。その成立過程から現在までに起きたネットでの動画配信をめぐるさまざまな出来事を振り返る。また、昨今広がっているユーストリーム等の生中継などを検証し、ネットで動画を使った活動の今後の課題を探る。

【開催場所】素人の乱・12号店杉並区高円寺北3丁目8-12 フデノビル2F(奥の部屋)
http://trio4.nobody.jp/keita/shop/12/map.html
【参加費】500円
【主催】メディアアクティビスト懇談会
e-mail:maroundtable@gmail.com
TEL:03-3296-2720(OurPlanet-TV内)

検証 : 日本のメディアアクティビズム
ホームページ
http://martable.blogspot.com/
ビデオ配信のアーカイヴ
http://martable.blogspot.com/p/videos.html

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