戸籍上同性どうしのカップルによる婚姻の法制化を求めている「結婚の自由をすべての人に」東京二次訴訟の控訴審第1回口頭弁論が26日、東京高等裁判所で行われた。 第一審では戸籍上同性カップルが家族になるための法律がないのは違憲状態と判断された一方で、法の下の平等を定めた憲法14条1項については合憲と判断したことなどを不服として、原告側が控訴していた。
控訴人代理人の沢崎敦一弁護士は法廷で、憲法制定時から社会状況は変化し、現在では同性カップルも家族を作り、子どもを育てるなどしていると主張。生殖を前提とした結婚への考え方は変わっており、「婚姻を認めない理由にはならない」と一審判決を批判した。
また一審の判決は、「婚姻に代わる類似の法制度を設けることもあり得る」としている点にも言及。海外の例として挙げられたベルギーやフランスの制度は「財産に関する制度であり、家族に関する制度ではない」と指摘した。さらにパートナーシップ登録制度を導入したドイツでは、異性と同性で差がある制度は違憲だとする司法判断が出ているとして、高裁では「これらの事実と向き合い、裁判所としての責任を放棄しないでほしい」と訴えた。
控訴人の山縣真矢さんは意見陳述で、日本の性的マイノリティの運動と歴史を紹介。一審判決では、違憲判断に日本社会の承認を前提にしている点に触れ、「その論理に恐怖を感じる」と訴えた。そして「26年連れ添ったパートナーとの生活は異性カップルと何ら変わらない。裁判所には人権感覚を世界標準にして判断してほしい。このまま差別されたまま死にたくない。」と述べた。
次回の裁判は来年1月28日に開かれる。同性婚をめぐる裁判では、10月30日に集団訴訟の第一陣となる東京一次訴訟の高裁判決が、12月13日に福岡高裁判決が下される予定だ。