「原発事故は国の責任」
東京電力福島第1原発事故をめぐり、国の責任を否定した最高裁判決から2年を迎えた6月17日、福島原発事故の被災者らが最高裁判所を取り囲む「人間の鎖(ヒューマンチェーン)」を行い、公正な判断を求めるアクションをおこなった。
主催したのは、全国で原発事故に伴う損害賠償裁判を起こしている原告らで作る「6.17最高裁共同行動実行委員会」。全国から訴訟を続ける原告や支援者らが駆けつけ、主催者発表で950人が集まり、手を繋いで最高裁判所を取り囲んだ。
最高裁の職員が昼休みとなる12時。30度近い厳しい暑さの中、つないだ手を上にあげ、「原発事故は国の責任」「未来に誇れる判断を」と裁判所に向かって声を上げた。
福島発事故の責任を問う集団訴訟は全国で30件ほど起こされている。国の賠償責任を認めるかどうかが一つの蒼天で、地裁・高裁の判決は認めるものと、認めないものとに分かれていた。しかし、早くに高裁判決が出ていた4つ訴訟について、2022年6月17日、最高裁はいずれも国の責任はないとする判断を下した。この最高裁判決以降、各地の下級審はいずれも国の責任を否定している。