東京電力福島第一発電所の「処理水」をめぐり、原発問題に取り組む市民団体が7日、海洋放出に反対するキャンペーン「ミライノウミプロジェクト」を海の日にスタートすると発表した。
キャンペーンを呼びかけたのは原水爆禁止日本国民会議(原水禁)や、原子力資料情報室、福島平和フォーラムの3団体。政府や東京電力が大規模な広報予算を費やして展開している「安全キャンペーン」に対抗して、正確な情報を発信したり、大規模な署名活動を展開するとしている。
原水禁の谷雅志さんは「東京駅などではALPS処理水は安全だという広告が大きく出ているが、一方的なコマーシャルに対して、仕方がないことなんだなと諦めてしまうのではなく何とかしなければと思った」と取り組みの背景を説明。「関係者の理解なしにはいかなる処分も行わないという約束を、反故にしてはいけない」と語った。
また、福島平和フォーラムの引地力男さんは地元の思いとして「安全かもしれないが安心はできない」と訴え、「IAEA( 国際原子力機関)の報告書は人体や環境に与える影響はごくわずかとしているが、ごくわずかだったらいいのか。薄めたから流していいのか、非常に疑問。これは福島だけの問題ではない。全国、全世界の人に考えてほしい」と締めくくった。
「処理水」の海洋放出をめぐっては4日、 IAEA(国際原子力機関)が国際的な安全基準に合致しているとした報告書を政府に提出している。