いわゆる「袴田事件」 をめぐり、3月13日、東京高裁は裁判のやり直しを認めた。袴田巖さんは、1966年、静岡県旧清水市の一家4人殺害容疑で逮捕され、1980年、死刑が確定していた。
「おめでとう!」
強い雨が降るなか、 足の踏み場もないほど集まった報道陣と支援者らを前に、「再審開始」の旗が掲げられると、支援者らから、大きな歓声が上がった。 袴田巖さんの姉・袴田秀子さんが姿を現すと「ありがとう。本当に嬉しいです」と何度も頭を下げた。そして、支援者らに向け、「本当にありがとう!この日が来るのを、57年間待っておりました」と喜びを爆発させた。
争点となっていた、犯人のものとされる衣類が現場から近い味噌タンクから見つかったことをめぐり、東京高裁の大善文男裁判長は、「捜査機関を含む第三者がタンクに隠した可能性が否定できない」「衣類のほかに袴田さんを犯人と認定できる証拠はない」と指摘し、再審を認めた。