性別変更要件が実状に合っていないー--6月20日には大阪地裁で同性婚を認めないことは合憲と判断された。LGBTQの人権に危機感を抱く人たちが、6月26日、プライド月間最後の日曜日の夜、新宿に集まった。
未成年の子どもがいると性別変更ができない
2004年に施行された性同一性障害特例法(GID特例法)では、戸籍上の性別を変更するには、以下全ての要件を満たすことと定めている。
「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」
①成人していること
②現に婚姻をしていないこと
③現に未成年の子がいないこと
④生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること
⑤その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること
このうち、④と⑤は外科手術が必要となる。手術費用は最低でも100万円以上と高額であり、この手術ができる医院は国内では数える程しかない。また、生殖腺を取り除くと性ホルモンが分泌されなくなるため、術後は一生涯性ホルモンの投与が必要となる。それでもしたいという場合であったとしても、健康上の理由で手術が受けられない場合もある。
最高裁判決のニュースを見て「抗議しなければ」と立ち上がった
2021年12月、最高裁は「子供の福祉、家族の秩序」などを理由に、未成年の子がいるトランスジェンダーの性別変更を認めない判決を下した。#ありえないデモ の呼びかけ人である頼さんは「戸籍上の性別が生活(見た目)と合ったものに変えられないから、逆にそれで転職とか職場で苦労したりとかそういったことが起きており、明らかに(国の判断と)実状に合わなくてありえない判決」と述べる。最高裁判決のニュースを見た翌日に一人でも意思表示しないといけないと思い、急遽プラカードを抱え最高裁前に立った。Twitter上でその事を報告すると、徐々に人が集まったという。6月26日、この日までにほぼ毎月都内でデモを行っており、仲間も増えてきた。今後もデモを続けていくという。