東京電力福島第一原発事故の責任が国にあるのかーー。原発事故の被災者が国と東京電力に損害賠償を求めた集団訴訟で、上告中4つの訴訟のうち、福島から愛媛に避難した住民らによる「愛媛訴訟」の弁論が開かれた。これが集団訴訟最後の弁論となる。最高裁判決では統一判断を下すことがわかっており、判決は6月中旬と予想されている。
意見陳述をした原告の渡部寛志さんは「愛媛の避難者には子供のいる若い世代が多い」「離れ離れになってしまった家族もいる」とし、そういった人々の声を代表して伝えた。渡部さんの長女は避難時の生活を「生き地獄」と例え、それは現在も続いていると訴えた。
原発被災者7000人が原告の「生業訴訟」弁護団の南雲芳夫弁護士は「国は、”規制する権限がなかった”とか、”長期評価は信頼できないので対策をする必要はなかった”、とずっと言っていた。最後の最後になって (対策を) 何もやっていないのに、(対策を)”やっても無駄だった”と言い出したのでそれは詭弁」と指摘した。
今後は「原発事故被害者の救済に関する共同要求」を国会議員などに提出し、二度と原発事故のようなことが起きないよう法制化を求める方針。