東京出入国在留管理局で21日、市民団体など十数人が集まり、入管の人権侵害に対して抗議の声を上げた。現在、収容されているスリランカ人男性との面会では、1か月足らずで体重が10キロも減少していたことが分かった。
「長期収容やめろ」「職員の暴力を許すな」
抗議行動を呼びかけたのは、入管問題に取り組む市民団体「収容者友人有志一同(SYI)」。東京を中心に、収容されている人たちの面会や支援、入管への抗議行動などを行っている。ことし3月にスリランカ人女性のウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)が名古屋入管の収容施設内で亡くなった後も、入管の対応は一切変わっていないと抗議。長期収容や入管職員による暴力などの改善を求め、申し入れを行った。入管周辺での抗議の声は、収容されている外国人にも届き、収容施設内から手を振る姿も見られた。
収容中スリランカ人男性、1か月で体重10キロ減
抗議の呼びかけ後、支援者らは収容されている人たちとの面会も行った。支援者が特に危惧しているのが、現在、長期収容されているスリランカ人男性、ジャヤンタさんの件だ。
ジャヤンタさんは、収容中に2度も新型コロナに感染。食事は食べても吐いてしまう状況を繰り返している。ことし10月には「制圧」と称した入管職員による暴力が1時間半にもわたって行われた。11月に仮放免されたものの、2週間後に再び収容された。身長167センチに対して、体重は54キロと、再収容後1か月足らずで10キロも減少。つい先日も倒れた状態で見つかり、病院に救急搬送されたばかりだ。ジャヤンタさんと面会した支援者メンバーは「点滴を受けないといけない状態なのに、収容を優先させる入管の対応は理解できない」と批判。一刻も早く収容施設の外の病院で治療を受けるべきだと憤る。ジャヤンタさんは自分の身に何かあったときのために、入管で受けた暴力などを手記にまとめ、親族に送る行動も始めているという。
ジャヤンタさんが書いた収容施設内での暴行の様子
12月19日には倒れて救急搬送された
「入管は、また人を殺すのか」
収容者友人有志一同(SYI)の柏崎正憲さんは、「毎年毎年、収容中に病死、急死、衰弱死、さらには自殺が相次いでいるにも関わらず、入管は何の反省もしていない。長期収容、職員による暴言・暴力、そして長官や局長などトップの責任逃れをやめさせなければ、また、犠牲者がでる」と訴えた。