実習中の事故や病死、そして自殺。異国の地、日本で命を落とした外国人技能実習生はこの10年で260人にのぼる。こうした技能実習生を追悼するキャンドルナイトが16日、東京・銀座で行われ、参加者らが外国人技能実習生が置かれた労働環境の改善などを訴えた。
「人権意識のなさが生んだ悲劇」
法務省がまとめた外国人技能実習生の死亡事案では、2010年から19年までの10年間で、260名もの技能実習生が亡くなっている。その多くが20代、30代の若者で、死因は実習中の事故や病死、さらには自殺も少なくない。
この死因について法務省は2018年以降、プライバシー保護を理由に公表しておらず、技能実習生がどういった理由や状況で亡くなったのか、いまは知ることができない。
追悼を呼びかけた市民団体「外国人技能実習制度の犠牲者を偲ぶ肉球の会」の佐藤弘子さんは、「実習生ひとりひとりに人生がある。そんな彼らの死を数字だけで記録・処理するのは許されない」と指摘する。
追悼に参加した人たちからは「外国人技能実習生に対する人権意識のなさが、こうした悲劇を生んでいる」「実習生を“奴隷”のように扱う制度自体を廃止すべきだ」との声が上がった。