「日本海でも、3.11と同じ「想定外」を起してはならない。」
原子力規制委員会の元規制委員で、地震の専門家である島崎邦彦氏は16日、規制委の田中俊一委員長と面会し、現在の審査基準は過小評価されている恐れがあるとして、見直すべきと述べた。
原発再稼動の審査では、想定される最大の地震の揺れ「基準地震動」を算出し、それに基づいて耐震策を取ることになっている。島崎氏は、現在、大飯原発などで採用されている「入倉・三宅式」が、断層面の傾斜が垂直か垂直に近い横ずれ断層で使われた場合、著しく過小評価となる恐れがあると指摘。より真実に近づく計算式を使って一度計算してみるべきだと提言した。
これに対し、田中委員長は、学会などで一定の評価が確立するまでは対応するつもりはないと述べた。また、小林房耐震等規制総括官は、頭の片隅において置けばよいかと質問。島崎氏は、「真ん中において欲しい」と返した。
島崎氏はヒヤリングの終了後、記者団に答え、「2002年に中央防災会議や東電が作り出した悲劇を再現してはならない。日本海で「想定外」をもう一度やってしまうのかという危機感がある」と語気を強めた。