原発事故後に避難の機会を奪われ、高い被ばくを受けたとして、飯館村の住民29人が3月5日、国と東京電力に対して一人当たり715万円のの損害賠償を求める訴えを東京地方裁判所に起こした。初期被爆そのものを直接争う初の集団訴訟となる。
原告らは2014年11月、飯舘村民の半数が参加した裁判外紛争解決手続き(ADR)を申し立てたものの、ADRセンターが示した和解案や東電の受諾拒否を不服として、初期被爆とふるさと喪失の2点に絞って改めて提訴したもの。
ADRの和解案をめぐっては、初期被曝の慰謝料は10万円と低く抑えられた上、東京電力はその和解案を拒否。ADRセンターによる受託勧告にも応じなかった。また、生活破壊慰謝料や田 畑・山林など不動産に関する、いわゆる「ふるさと喪失」慰謝料については、ADRは和解案を出さなかった。
これに対し、原告は初期被曝については、国と東京電力に対して250万円の損害賠償を、また「ふるさと喪失」慰謝料は東京電力に400万円の損害賠償を求めている。初期被曝をめぐって、裁判が争われたのは・・・。また12歳から69歳の原告の中には、2011年3月30日に、国が簡易的に甲状腺検査を行った子どもも人含まれているという。