山口県上関町で原発建設計画を進める中国電力は1月13日午前、ブイ交換のためのクレーン台船を派遣した。午前11時に、原発予定地の対岸にある同町祝島そばまで接近。しかし、祝島の漁船の抗議によって、1時間後、35キロほど離れた周防大島の久賀港へ戻った。
台船の派遣は、去年2010年の9月から毎月のように行われいるが、漁師の漁船が取り囲むなどして、工事には至っていない。祝島に暮らす住民は、原発ができると、長年続けてきた半農半漁の生活がおびやかされる上、豊かな自然が失われるとして、30年来、反対運動を続けている。
現地で暮らすジャーナリストの東条雅之さんは「今年に入ってからの台船派遣は、これまでの4回に比べ、やる気が感じられない。しかし、こうした派遣ごとにかかる経費は全て、電気料金に上乗せすることが許されており、長期的に、同じような派遣を繰り返す可能性がある」と話す。
また、現在、原子炉の炉心予定地周辺で行われている発破作業は、1日2〜8回程度行われており、調査が終了するまで半年はかかる見込み。発破作業は、中国電力が行った地質調査が不十分だとして、原子力安全保安院から追加調査が指示されたことを受けて、行われているもので、国が追加調査を求めるのは異例だという。(写真:東条雅之さん)。
ブイ交換目的と見られる台船
台船を阻止しようと、漁船が対峙
祝島の漁師さん
中国電力の社員が乗っている船
上関原発の現場から緊急リポート(12月11日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/758
上関原発建設計画:県内3地点で追加調査開始(毎日新聞)
http://mainichi.jp/area/yamaguchi/news/20101216ddlk35040446000c.html