東京電力福島第一原発事故の影響で、福島県外へ避難している被災者らが15日、来年度以降も住宅支援を継続するように内堀知事宛に4万4978人筆の署名と要請書を提出した。被災者らは「国に支援を要請してください」と詰め寄ったが、県側は「支援を要請するかどうか、国と協議していて何も言えない」と繰り返し述べた。
今回福島県庁を訪問したのは、東京や京都へ避難している当事者や支援者ら約15人。署名提出後、福島県の避難者支援課の担当者と1時間面会した。
面談では、いわき市から京都へ子ども2人と母子避難した高木久美子さんが、「避難用住宅の期間延長が必要です。落ち着いて暮らしたい」と訴えたが、福島県 避難者支援課の菊池主幹は、「今度の延長については、地元福島の除染やインフラの整備、公営住宅などの整備をふまえて、対応する」「国と協議している」と述べるにとどまった。
県の説明を受けて避難者らは、「帰還させたいから延長するのを渋っているのですか?」と詰め寄ると、県側は「除染をしてインフラを整備して戻れるような環境にしたい」と述べた。
これに対して「うつくしま☆ふくしまin京都」の奥森祥陽さんは、「問題は福島県の動向なんですよ!あなたたちが県外避難者の命をにぎっている」と訴えて、生活が困窮している母子避難者などがいることを説明。「家賃負担できる人はもう新しい生活をはじめている。公営住宅に移って家賃月1、2万でも、本当にぎりぎりの人たちがいっぱいいる。延長するしかないんです」と迫ったが、避難者支援課の福島県避難者の菅野主幹は、「十分分かります。ただ言えないんです」と言葉を濁した。
県は昨年5月末に支援延長を決定したことについて、「できるだけ早く決めたい」とする一方、「現時点で発表できるものは何もない」と述べた。
東日本大震災に伴う県外に避難している被災者は、「みなし仮設」と呼ばれる借り上げ住宅で暮らしている。しかし、同住宅は、もともと2年間が利用期限とされている「災害救助法」の「応急仮設住宅」に準ずるため、支援の継続決定は1年ごととなっており、来年3月以降の見通しはたっていない。内閣府によると、今年3月1日時点で、被災3県(福島県、宮城県、岩手県)から県外に避難して、「みなし仮設(借り上げ住宅)」で暮らしているのは、1万793戸2万7333人。同住宅は、「災害救助法」に基づき、避難元が要望して実施が決まる仕組みとなっているため、福島県の対応が焦点となる。
関連リンク
避難用住宅の無償提供期間の 用住宅の無償提供期間の長期延長を求める署名
http://goo.gl/HsYViD
ひなん生活をまもる会
http://hinamamo.jimdo.com/
震災支援ネットワーク埼玉
http://431279.com/
うつくしま☆ふくしまin京都
http://utukushima.exblog.jp/