オリンピック
2020/07/26 - 03:00

「五輪は中止だ」新国立競技場周辺でデモ

「五輪は延期でなく中止だ」「命を守れ」

東京五輪の開会式が予定されていた7月24日、五輪開催に反対する市民らが、東京都渋谷区の国立競技場周辺でデモ行進を行なった。

呼びかけたのは、招致時から東京五輪に反対していた市民グループ「『オリンピック災害』おことわり連絡会」。この日は約80人が集まり「東京五輪は返上」「オリンピック終息宣言」などと書かれた横断幕を掲げ、国立競技場の周辺を練り歩いた。


新国立競技場前

目についたのは参加者の2倍ほどの警察官。参加者と全く距離をあけずにずらりと並び、警備に当たっていた。一方、デモ参加者は、新型コロナウィルス感染防止のため一人ひとりが距離を取り、ゆっくりと行進。すると、先導車の警察官がマイクを使って「直ちに前に進みなさい」などと大きな声で警告した。参加者からは「警察が密着していて感染が怖い」「監視社会はいやだ」との声がもれた。

車道側を警察官、歩道側を私服警察がずらりと並んだ

デモを呼びかけた宮崎俊郎さんは「即時に中止の決断をすべきだ。3兆円以上の開催経費をコロナで貧しい人たち、苦しい人たちに対して使って欲しい」と訴えた。

国立競技場の周辺では同じ時間、他のグループも五輪反対デモを行ったが、警察官が参加者をビデオ撮影する侵害行為が起きたため、市民が撮影の中止を求めて抗議。いったんは従ったものの、警察は撮影を再開。さらに、デモを中止させる異例の事態にとなった。


写真左、警察がデモを中止させている様子

五輪予算の中で、最も大きな割合を占めているのが警備予算だ。こうした事情と関係があるのか、警察は五輪反対デモに対して過剰な監視や警備を行う傾向にある。この日も、デモ参加者より多い警察官が市民を囲む物々しい雰囲気となった。

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