原発事故当時18歳以下だった福島県内の子どもを対象に実施している甲状腺検査をめぐり、専門家で作る甲状腺評価部会が1月20日開かれ、3巡目の甲状腺3巡目検査の結果解析に向けた議論を開始した。
しかし経過観察となっている患者のデータなど、甲状腺がんとなっている患者の把握が難しくなっている上、年齢層の高い世代の受診率が低下しているとして、全国がん登録を活用した患者数の把握を行なっていく方向を確認した。
ただ、対応する福島県立医大の安村誠司教授は、国立がん研究センターの協力を得て、データを使用できるような整備を進めていくとしながらも、いつまでにデータを出せるかは明言できないとした。
また線量について、座長の鈴木元氏は、避難指示区域、浜通り、中通り、会津という四区域での比較はやりなおすべきだと指摘。個人線量に近いデータを割り出し、その数値を使用して解析するかどうか、部会で判断することになるとの見方を示した。
3巡目検査の評価時期、未知数
昨年2月、2巡目で見つかった71例の甲状腺がんについて、被曝との関連性はないとする報告書をまとめた同部会。部会員の任期が7月までだったため、今回は、甲状腺に関わる専門医の多くは改選された。一方、疫学や放射線疫学の専門家は留任。鈴木元国際福祉大学クリニック院長が、引き続き院長に就任した。
しかし、がんとなった患者数が不透明な上、がんとなった患者の被ばく線量もわかっていないことから、患者数の把握や、どのような線量を使うかの議論が優先され、1巡目や2巡目のような解析は見送りとなった。このため2022年7月に任期満了を迎える任期中に、3巡目の解析結果が公表できるかどうか未知数となった。
3巡目の結果(10月公表)
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/351389.pdf
最新データ(OurPlanetTVまとめ)
資料
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/kenkocyosa-kentoiinkai-b14.html