福島第一原発事故
2019/02/05 - 08:00

被曝データ提供問題で調査委が初会合〜宮崎・早野論文

東京電力福島第一原子力発電所事故後、伊達市の住民が測定していた被曝線量データを、本人の同意を得ず研究者に提供していた問題で4日、市が設置した「被曝データ提供に関する調査委員会」の初会合が開かれた。また市議会では、各会派の代表者会議が開かれ、論文執筆者らを招いて勉強会を開催することで合意した。

冒頭のみ公開された調査委員会。弁護士の駒田晋一氏、中央大学理工学部の大橋靖雄教授、会津大学コンピュータ理工学部の中村章人上級准教授の3人が委員に就任し、駒田氏が委員長に選ばれた。調査委員会では、過去の行政資料などをもとに、市がいつどのようなデータを提供したのかなど、詳しく経緯を調べることにしている。須田博行市長は「市民にご心配とご迷惑をおかけしおわび申しあげます。調査委員会で事実確認を行い市民への説明責任をしっかりと果たしたい」と述べた。

会議は非公開。委員に提供されている内部資料なども明らかにされていないため、メディアからは公開を求める声があがったが、活発な意見の妨げにならないようにとの理由で非公開とし、議事録は報告書がまとまった後、公開するという。

委員長に就任した駒田氏は終了後、「(経緯を調査して報告書をまとめるという)委員会の役割を全うすることが、私の職務。」「早期に(結論を)をいう市民の声があることを踏まえて、速やかに進めたいが、具体的にいつまでということを現段階で申し上げる状況ではない。」と話した。次回は今月28日に開催される。

市議会では著者を招いて勉強会へ
一方、市議会では4日、各会派の各会派の代表者会議が開かれ、論文を執筆した福島医科大学の宮崎真講師や東京大学の早野龍五名誉教授、また論文の問題を指摘した高エネルギー加速器研究機構の黒川眞一名誉教授の3人を招聘する勉強会を開催することで合意した。2月28日から始まる定例議会より前に開催したいという。2017年から、この論文の問題を市議会で取り上げてきた高橋一由議長は、議員だけでなく、多くの市民が参加できればと抱負を述べた。


4日に始まった市議会報告会でも、住民から、同論文についての質問が相次いだ。

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