写真:関西電力による大飯原発 破砕帯追加調査「台場浜付近(陸域)(10月4日)」(C)原子力規制庁
原子力規制委員会は17日、5回目となる会議を開き、関西電力・大飯原発(福井県大飯町)の発電所周辺の断層が、活断層かどうかを調べる調査団のメンバーを発表。調査団には、今年6月大飯原発の再稼動の前から断層の危険性を指摘してきた渡辺満久東洋大教授(変動地形学)を含む5人が選任され、11月2日に現地調査を実施する。田中俊一委員長は、活断層と判断されれば、原発が稼働中であっても停止を求める考えを示している。
調査団は、「日本活断層学会」「日本地質学会」「日本第四世紀学会」「日本地震学会」から推薦を受けて、規制委員会が今まで原発の安全審査に携わらなかった専門家を選定した。メンバーは島﨑邦彦委員(東京大名誉教授、地震学)、渡辺満久教授の他、日本活断層学会初代会長の岡田篤正氏、産業総合技術研究所 活断層・地震 研究センターの重松紀生氏、信州大学の広内大助准教授ら5人。11月2日に現地調査を行い、4日に現地調査の評価を議論する。
現地調査は大飯原発を止めずに実施されるが、渡辺教授は、5日に行われた市民と規制庁との政府交渉で、規制庁の担当者に対して「完璧に調べるのであれば、一度原発を止めて、制約がなるべく小さな状態で調査すべき」と指摘している。
また、規制庁が警察に要請して、委員会の会議室内で公安警察が市民とメディアを監視していたことが問題となっていたが、この日は、警察の姿は見えなかった。規制庁の広報課 佐藤暁課長は、「引き続き、麻布署に警備を要請している。どういう警備をするのかは、警察にお任せしている。警察の判断で変えたのではないか?」と説明した。
関連リンク
関西電力大飯原発の現地調査団日程、調査団メンバープロフィール
http://www.nsr.go.jp/kaiken/data/20121017haihusiryo.pdf
関西電力(株)大飯発電所 破砕帯追加調査の進捗状況
http://www.nsr.go.jp/activity/regulation/doukou/taishin/hasaitaichousa/o…
第5回 原子力規制委員会配布資料
http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/data/0005_01.pdf
【動画】渡辺満久先生 「活断層と原子力関連 施設の安全性―ずれによる被害の警告―」 (C)原子力資料情報室
http://199.66.238.57/recorded/22950872
関連動画
原子力規制委員会~公安警察に委員会監視を要請(10月10日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1453
大飯原発活断層交渉〜規制庁の職員、委員に渡さず(10月6日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1452
大飯原発の破砕帯〜関電が資料出さずに審議延期(7月3日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1390