2019/01/08 - 04:00

「沖縄の今」を伝える独立系メディアが県記者クラブに加盟

沖縄県内で独自の映像取材を続ける「森の映画社」が1日、沖縄県の県政記者クラブと県議会記者クラブに加盟した。沖縄県の記者クラブが、動画配信を専門とする新聞協会に加盟していない独立系のメディアに加盟を認めるのは初めて。同社は、これまで取材が拒否されていた県議会の取材が可能となる。

同社は、15年前から沖縄に取材拠点を置き、米軍基地問題で揺れる辺野古や高江の映像取材に取り組んできた。
しかし、県が辺野古新基地移設の工事差し止め訴訟を起こすにあたり、関連議案を採決する沖縄県議会を取材しようとしたところ、県議会が、記者クラブに加盟していないことを理由に取材を拒否。同社は、報道・表現の自由を侵害されたとして、県議会を提訴した。

現在も裁判は続いているが、翁長知事が辺野古埋め立て承認撤回を表明した昨年夏、裁判以外の手段で、議会取材を可能にする方法を模索。記者クラブへの加盟を申請した。そして先月25日、正会員14社のうち12社の賛成を得て準会員として加盟が認められた。
藤本幸久代表は「今も県議会で加盟社以外のメディアやフリージャーナリスト、海外メディアの取材は許可されていないが、私たちの加盟により、一石を投じることができた。辺野古の問題は、国と県のせめぎ合いの側面があり、今回の加盟で、これまで取材できなかったことが撮影できるようになる。インターネットを通じて、辺野古に関心のある人たちに広く伝えていきたい」と意気込む。

OurPlanet-TVは、昨年から「森の映画社」の配信を受け、沖縄の今を伝えている。最新の映像は、元旦に宜野湾市役所前に座り込む市民の姿だ。名護市辺野古の新基地建設の賛否を問う県民投票の実施を求め、市民らが、大晦日から1月3日まで連続72時間のハンガーストライキを行った。「地味だけど重要な内容」と同社。「沖縄の現場を全力で取材していきたい」と語る。

映像提供:森の映画社
http://america-banzai.blogspot.com/

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