福島第一原発事故後、福島県が実施している「県民健康調査」あり方を議論している検討委員会の第33回目会合が27日、福島市内で開催された。甲状腺検査について集中的に取り上げ、インフォームドコンセントのあり方や学校検診などのめぐり、約3時間にわたって議論した。検査により穿刺細胞診で悪性ないし悪性疑いと診断された患者は5人増えて207人(うち一人は良性結節)。手術を受けて、甲状腺がんと確定した患者は2人増えて166人となった。
一方、福島県は今月13日、県議会の公安福祉委員会で、「甲状腺検査サポート事業」により医療費の交付を受けた患者233人すべてが甲状腺がん(疑い)であるとの答弁したことについて、県民健康調査課の鈴木陽一課長は、答弁は誤りだったと述べ、甲状腺がんは77人だと修正した。
甲状腺検査サポート事業の要項によれば、同事業に「申請できるもの」は「甲状腺がん(疑い)」の医療費」に限定されている。また申請者向けの「Q&A」でも、甲状腺がん以外の甲状腺疾患は対象にならないと記載されており、今後、医療費の交付を求める患者に混乱が生じる恐れがある。
県民健康調査甲状腺検査サポート事業について
http://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/kenkocyosa-kojyosen-support.html
記者会見
配布資料
http://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/kenkocyosa-kentoiinkai-33.html