東京五輪のメイン会場となる新国立競技場建設のために、公園から強制退去させられホームレスらが14日、東京都と国と日本スポーツ振興センター(JSC)を相手取り、約350万円の損害賠償を求める訴訟を東京地方裁判所に起こした。
原告は新国立競技場建設を理由に解体された明治公園に居住していたホームレスとその支援者4人。原告らは、公園にホームレスが住んでいることを知りながら、都がJSCに土地を無償で貸与したことや、JSCが約束を破って、突然、仮処分によって強制に公園を封鎖したのは、「騙し討ちかつ、地上げ紛いだ」と主張。また、是正監督の措置をとらなかった国に対しても、違法性があるとしている。
話し合いをすると見せかけながら、仮処分によって公園の封鎖を行なったことについて、代理人の山本志都弁護士は、「生活の場を奪う強度な人権侵害だ」と批判。公園から強制退去させられた原告の女性(50代)は、「予告なく強硬的な手段で追い出された。怖かった」と行政への不信感を語った。
仮処分により、ホームレスが追い出された日の動画ニュース。
「野宿者のテントを強制撤去~新国立競技場建設」(2016年4月16日配信)