福島第一原発事故
2014/04/25 - 11:48

映像報告「チェルノブイリ・28年目の子どもたち」

 

今年3月で、福島第一原発事故から3年を迎えた。しかし現在も年間20ミリシーベルトを避難基準に設定したまま、住民の早期帰還策が進められている。また除染以外の被ばく防護策や健康調査は極めて限定的だ。

そんな中、OurPlanetTVではチェルノブイリ事故後28年経つウクライナへ足を運び、子どもたちの健康状態や学校生活などを取材した。汚染地域の子どもや住民の罹患率が今も上昇する中、医師、教師たちの懸命な努力が続けられている。日本はここから何を学べるか。子どもを取り巻く学校や教育関係者、医療従事者、保護者たちの取組みや思いを取材した。

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DVDを1枚2000円で販売しています。上映会や勉強会などで自由にご活用いただけます。
購入の方法はこちら 
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1758

ナタリア・ヤレムチュクさん(38歳)
1975年コロステン生まれ。
10歳のときにチェルノブイリ原子力発電所事故に遭う。ジトーミル大学に進学し、歯科医師となる。病気のある2人の子どもを育てているが、子どもたちには薬などが効かないため、食事に気をつかっている。野菜や肉、牛乳などは、汚染地域ではない夫の実家で作った無農薬のものが中心。現在、19歳の息子はナタリアさんの母親が育てている。本人は甲状腺炎。娘に同行して保養に行くと、疲れがなくなると話している。

マリア・ヤレムチュクさん(15歳)
1998年コロステン生まれ。
生まれつき腎臓機能が正常に働いておらず、「先天性有機酸代謝異常」との診断を受ける。最近は膵臓の機能低下、糖尿病も併発してきている。薬や医学的な治療は効かず、体調管理のためには保養と食事療法が重要となっている。体調が悪化すると、意識が低下してろれつが回らなくなり、失調状態となることがある。チョコレートやスナック菓子、炭酸のジュースなどは悪い影響があるため、控えるようにしている。


Study2007さん作成資料から抜粋

取材メモ

◯コロステン
市長:モスカレンコ市長(ソ連時代は共産党地区指導者→事業家→市長4期目)
ジトーミル州北部の都市/人口6万6000人
チェルノブイリ原子力発電所から140キロ
1991年に年間0.5ミリ〜5ミリシーベルトで第3ゾーンに指定され2万人が移住
1986年から2011年までの25年間の積算線量は平均15〜25ミリシーベルト
人口6万6000人のうち5万7000人が被災者として補助を受けている
支援策:給食費の無償/子どもの保養/医薬品の無償提供/汚染のない食品購入補助など
  

◯コロステン第12学校
校長:ニジニック・カリーナ校長
校医:ノンナ・セチェンコ医師(小児科医)
生徒数:1年生から11年生まで645人
授業時間:2年生から11年生まで40分(5分短縮)/1年生は35分(10分短縮)
体育:基本グループ157人/準備グループ385人/特別グループ90人/体育免除13人

【PDF】「チェルノブイリ・28年目の子どもたち」Q&A
*映像報告に盛り込めなかった重要ポイントをまとめました。上映会を開催する際は印刷してお使いください。

ウクライナ報告書『チェルノブイリ事故から25年』(英文)
http://www.ourplanet-tv.org/files/chornobyl25eng.pdf
ウクライナ報告書『チェルノブイリ事故から25年』(抜粋和訳)市民科学研究室サイト
http://archives.shiminkagaku.org/archives/csijnewsletter_010_ukuraine_01.pdf
ウクライナ保健省「チェルノブイリ障害者認定」疾病リスト
http://www.ourplanet-tv.org/files/list.pdf
チェルノブイリ事故のパスポート線量とは(内閣府原子力被災者生活支援チーム作成)
http://www.ourplanet-tv.org/files/passort.png
YouTube版
https://www.youtube.com/watch?v=3hv-5bW17Rs

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