送電線の空きがないとの口実に、大手の電力会社が自然エネルギー事業者の送電線利用を拒否していることに対して、市民団体は26日、資源エネルギー庁などに改善を求めて要望書を提出した。
要望書を提出したのは、脱原発や自然エネルギー推進に向けて活動している207団体が加盟している市民団体「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」。資源エネルギー庁に訪れたメンバー6人は、大手電力会社が、停止している原発や新設する原発が稼動することを前提に送電線の空き容量を計算していると批判。実際の使用実態に合わせて計算するよう行政指導するように求めた。
報道によると、実際に送電線を利用している割合は2~18パーセントと全体の2割も使われていない。同団体の河合弘之幹事長は、全国の自然エネルギー事業者から、悲鳴のような声が届いてると説明。「『空き容量ゼロ』というインチキな論理によって、自然エネルギーの推進が妨害されている。実効性のある行政指導をお願いする」と力をこめた。
資源エネルギー庁電力基盤整備課の担当者は「送電線補強をすると費用や期間がかかる。既存のものを最大限活用するよう国で議論している。解決に向けて全力を尽くしたい」と話した。
送電線の運用をめぐっては、今月18日に設置された「再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会」で来年話し合われる方向で調整されている。会議は、自然エネルギー導入に伴う課題について議論するもので、各会議ごとに意見がまとまれば、その都度政策に反映していくという。
関連リンク
原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟
http://genjiren.com/
再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会(ページ一番下)
http://www.meti.go.jp/committee/gizi_8/21.html