「崖っぷちに追い込まれた」
東京電力福島第一原発事故による自主避難者への住宅支援の打ち切りが3月末と目前に迫る中、原発事故被害者などの4団体が、国と東京電力に申し入れを行った。避難者らは、切迫した表情で、打ち切り撤回を求める約3万筆の署名を安倍首相宛に提出した。
申し入れを行ったのは、発事故の損害賠償を求めて集団提訴している原告団らでつくる「原発被害訴訟原告団全国連絡会」、「原発事故被害者団体連絡会」、「原発事故全国弁護団連絡会」と、避難者らでつくる 「ひなん生活をまもる会」の4団体。
今回の申し入れは、東京電力福島第一原発事故で、福島県から群馬県へと避難した住民が約15億円の損害賠償を求めて、国と東京電力を訴えていた裁判で、前橋地裁が17日に「津波を予見し、事故を防ぐことができた」として、初めて国と東電の責任を認める判決を出したことを受けて行われた。
福島県南相馬市から神奈川へと避難している村田弘さんは、年に3度は草刈のために自宅に戻るが、除染されたのは庭だけで、帰りたいけど帰れないという。「原発事故の責任が国にもある。政策的なタイムテーブル優先で、被害者を切り捨てていくことは認められない」と、涙を浮かべ話した。
福島県いわき市から東京へと避難している鴨下祐也さんは「4月1日になっても、放射能汚染や避難者は消えない。このまま残留避難者として残らざる得ない」と支援の継続を強く訴えた。