環境エネルギー政策研究所は23日、今後の電力需給に関する分析及び計画停電に対する対案をまとめ、『「無計画停電」から「戦略的エネルギーシフト」への提言』として発表した。
2011年3月11日に発生した東北関東大地震とそれに続く巨大津波によって東日本は深刻な需給ギャップが生まれたため、「計画停電」が始まったが、十分に計画されず、混乱を極めている。そんな中、環境エネルギー政策研究所(ISEP)では、関東圏の供給力や過去の需要量を含めた検証を行い、公共政策として行うべき、短期・中長期的な施策を提言した。
分析によると、今春から夏の需要ピーク時(1日最大電力予想=発電端で5,755万kW)においても、需要側への適切な措置、特に大口需要家との需給調整契約の戦略的活用を行えば、短期的にも無計画な「計画停電」を実施しなくても、十分に対応可能としている。また、地域分散型の自然エネルギーを中心とするエネルギー政策に転換すれば、短期的には震災復興経済の柱となるだけでなく、中長期的にも自然エネルギーを2020年に電力の20%・2050年には100%を目指し、電力安定供給・エネルギー自給・温暖化対策の柱とする大胆かつ戦略的なエネルギーシフトができるとし、原子力発電や火力発電などから、自然エネルギーへのシフトが十分に可能であると指摘している。
レポート『「無計画停電」から「戦略的エネルギーシフト」への提言』
http://www.isep.or.jp/images/press/ISEP_Strategy110323.pdf
環境エネルギー政策研究所ホームページ
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