東京電力福島第一原発事故により、「被曝し、精神的な被害を受けた」として、双葉町の井戸川克隆前町長が国と東京電力に対し、およそ1億5000万円の損害賠償を求めた裁判の第1回口頭弁論が21日、東京地裁で開かれた。
井戸川氏は法廷で、福島第1原発1号機の水素爆発が起きた際、住民の避難誘導を行っていた当時の状況を生々しく証言。「国の避難指示が遅れて、大量に被ばくした。」と、初期被曝に対する国の責任を求めた。
傍聴には福島県民や、避難者、広島の被爆者、都内の支援者など100人以上がけつけて抽選に。井戸川氏は終了後の集会で、駆けつけた支援者らに「避難区域内とか、避難区域外とか関係ありません。私の裁判は、放射能にさらされたことを問題提起していく裁判です」と涙ながらに訴えた。
1号機の水素爆発で被ばくした3月12日の夜、井戸川氏は、双葉町の職員2人とともに、福島県立医科大でホールボディカウンターによる検査を受けた。どの程度の被ばくしていたのかデータ分析を行い、今後の裁判を通じて被ばく状況を明らかにしていく方針だ。
次回の裁判は、11月19日(木)午前10時から東京地方裁判所103号法廷で行われる。