2015/06/25 - 18:57

人権団体が死刑に抗議〜安倍政権下22人目

上川陽子法務大臣が24日、死刑囚1人の死刑を執行したと公表したことを受け、人権団体が死刑執行に抗議する緊急声明を発表した。安倍政権下では、第1次安倍内閣で10人、第2次安倍内閣で11人が執行されており、通算22人となる。人権団体のメンバーは、国際的に死刑廃止に向かう中、死刑に関する社会的な議論を行うべきだと訴えた。
 
声明を発表したのは、アムネスティ・インターナショナル日本とNPO法人監獄人権センター、死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90、「死刑を止めよう」宗教者ネットワーク、日本弁護士連合会の5団体。声明では、世界で死刑を廃止、停止している国が140か国に上っていることを指摘し、国家が人の命を奪うことは許されないと批判した。
 
今回、死刑が執行された神田司(44歳)死刑囚は、2007年に携帯電話の闇サイトで知り合った2人と共謀し、1人を殺害。2009年3月に名古屋地裁で死刑判決を受けると、一度控訴したものの、2009年4月に自ら取り下げ、死刑が確定した。この事件で神田死刑囚とともに強盗殺人などの罪に問われた2人は、無期懲役の判決が確定している。
 
NPO法人監獄人権センターの田鎖麻衣子事務局長は、日本では死刑判決に対して、上訴の権利を保証しているものの、行使しない人に対しては自動的な上訴制度がないことを指摘。「国連自由権規約委員会が日本政府に対し、繰り返し勧告している。早期に導入し、死刑制度を見直すべきだ」と訴えた。
 
また弟を保険金殺人で殺された原田正治さんは、かつて加害者の死刑を求めていたが、現在は死刑制度廃止を訴える立場に転換。「死刑は国家による合法的な殺人で1日も早く無くして欲しい」と述べた。
 
関連リンク
声明 アムネスティ・インターナショナル日本
http://www.amnesty.or.jp/news/2015/0625_5422.html
声明 NPO法人監獄人権センター
http://www.cpr.jca.apc.org/archive/statement#1217
声明 死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90
http://www.jca.apc.org/stop-shikei/
声明 日本弁護士連合会 
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2015/15062…
 

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