政府・与党が秋の臨時国会での成立を目指す労働基準法改正案。この廃案を訴える「ブラック企業被害対策弁護団」が法案の問題点を指摘するビデオを作り、有楽町駅前の大型ビジョンでながすキャンペーンを始めた。同弁護団の佐々木亮弁護士は、「この法案は、残業代ゼロ法案とも言われており、過労死を誘発する法案で危険だ」と仕事帰りの人びとに訴えた。
大型ビジョンに映し出されたのは、人気漫画「ブラックジャックによろしく」。作者が2次利用を可能としていることに目をつけた弁護団が、「ブラック法」を分かりやすく伝えるビデオに改編。「残業代ゼロになっただけかよ!」と批判し、労働基準法の改正案の問題を訴えた内容だ。
ビデオ制作の中心になったのは、明石順平弁護士。漫画をアレンジして、セリフを考え、声優もこなした。演じた役は、経営者約から労働者役まで10役以上。街頭で放映される15秒バージョンの他、6分、18分の長いバージョンも制作しネットで公開している。費用は制作費、放映料を合わせて約30万円で、3ヶ月かかって完成させた。明石弁護士は、「女性の声も担当して大変だったが、インパクトのあるものを作り、法案の危険性を伝えたい」と語った。
労働基準法改正案は、年収1075万円以上の専門職の労働者を対象に残業代などが支払われなくなる他、裁量労働制の対象業務の拡大などが盛り込まれている。
同弁護団の佐々木弁護士は、「今国会で衆議院を通過させ、秋の臨時国会で成立させることも可能な状態だ。今国会で審議入りさせないということが非常に重要」と廃案に向けて意気込んだ。
同弁護団は、ブラック企業問題が大きく社会化された2013年7月に発足。北海道から沖縄まで、全国で活動する弁護士約300人が参加し、相談窓口を開設している。メンバーの中心は30代で、弁護士になる前に、ブラック企業で勤めた経験がある人もおり、若者を取り巻く身近な問題として敏感だ。
ビデオは、オフィス街である有楽町駅前の大型ビジョンで8月4日から10日の午前7時から午後12時まで、1時間に4回放映される。
YouTube版「残業代ゼロ」法案にNO!街頭ビジョンで動画放映
https://www.youtube.com/watch?v=8I_OntCStN4
関連サイト
ブラック企業被害対策弁護団
http://black-taisaku-bengodan.jp/
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