東京・霞ヶ関の経済産業省前の「脱原発テント」について、国がテントの代表者２人にテントの撤去などを求めている裁判の判決が２６日、東京地方裁判所であった。村上正敏裁判長は「表現の自由の行使という側面はある」としながらも、「国が明け渡しを求めることは権利の乱用ではない」として、テントの撤去や過去の土地使用料として１１４０万円の支払いを命じた。被告の１人である淵上太郎さんは、「テントは脱原発運動そのものだ。日本の原発が全部なくなるまで頑張る」と撤去に応じない考えを示し、控訴する方針。
冷たい雨が降りしきる中、東京地裁には、約３００人の支援者がつめかけ、８８席の傍聴席は抽選となった。午後２時３０分、村上裁判長が判決文を読み上げると、傍聴席からは「不当判決だ」「判決撤回」といった怒号がとんだ。
経産省に目障りな「脱原発」のシンボル
経済産業省前に「脱原発テント」が設置されたのは、東京電力福島第１原発事故の半年後の２０１１年９月１１日。以来３年半、市民らが交代で泊まり込みながら国の原発政策の批判してきた。現在では、福島原発事故で避難を強いられた住民なども頻繁に立ち寄る「脱原発運動」のシンボル的な場所となっている。
福島第一原子力発電所事故に対し、最も大きな責任がありながら、今なお、法的に責任は取っていない経済産業省。川内原発をはじめ、全国各地の原発を再稼働するにあたり、敷地脇に設置された「脱原発テント」はまさに「目障り」な存在といえる。これまでも、度々、撤去が言及されてきたが、民主党政権から自民党政権に政権交代した２年前の２０１３年３月、経産省がテントの撤去と土地明け渡しを求め「脱原発テント」のメンバー２人の提訴に踏み切った。
判決後、参議院会館では抗議集会が開かれ、テントを利用してきた市民ら４００人が集った。郡山から駆けつけた「原発いらない福島の女たち」の黒田節子さんは、「福島のことを訴えることは罪ですか。原発はいらないと世界に訴えることはとがめられることなのですか」「私たちが訴えていることは普通のことです」と時折、言葉を詰まらせながら訴えた。
関連サイト
経産省前テントひろば
http://tentohiroba.tumblr.com/
脱原発といのちを守る裁判
http://tentohiroba-saiban.info/
関連番組
２０１３年７月２３日配信 国、被告を別人と間違え提訴か～脱原発テント訴訟
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1622
２０１３年５月２４日配信 「経産省前ひろば・脱原発テントの６００日」
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1588
２０１３年５月１０日配信 「脱原発テント」撤去訴訟～取り下げ求め署名提出
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1582
２０１２年１１月２７日配信 市民と規制委がメディア対決！〜市民の声に規制委はどう応える？（Tent Color）
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1469
２０１２年５月６日配信 42年ぶり、「原発稼働ゼロ」になった5月5日
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1357
２０１２年５月１日配信 5月5日の原発ゼロへカウントダウン〜経産省前テント
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1356
２０１２年４月１７日配信 経産省前で集団ハンスト～大飯原発「再稼動」に抗議
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1349
２０１２年１月１９日配信 【ドキュメント】ストレステスト審査〜市民を締め出して強行
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1300
２０１１年９月１３日 経産省前で若者４人がハンスト〜脱原発訴え
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1225
２０１２年９月１２日配信 ３１１から半年～全国で脱原発デモ
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1223
