東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴い「特定避難勧奨地点」の指定を受けている住民などでつくる「南相馬・避難勧奨地域の会」が10月10日、避難解除を強行しないよう経済産業省に申し入れを行った。
申し入れを行ったのは、南相馬で避難勧奨地点指定を受けている地域の住民ら。政府が9月26日、市役所で開かれた市議会全員協議会で「10月中に解除する」との方針を示したを示したのを受け、拙速な解除を行わないよう、内閣府原子力被災者生活支援チームに要望した。
避難勧奨地点は2011年6月、事故後1年間で年間20ミリシーベルトを超える恐れのある地点を世帯ごとに指定する制度で、南相馬市では152世帯(720人)が指定されている。政府は除染によって、年間20ミリシーベルトを超える地点はなくなり安全が確認されたと説明。一方、住民側は、政府の計測はずさんだと主張。住宅の敷地内や周辺地域にはまだ高い場所があるとして、農地除染を実施してからの解除を求めた。
行政区長の藤原保正さんは「時期尚早だ。20ミリで解除して安全というなら、被曝手帳を配って欲しい。一方的に解除して、その後、何も知りませんでしたというのは困る。」「加害者と被害者の関係で、一方的に加害者が値を決めて解除するのはおかしい。」と語気を強めた。
国は10月8日、10日、11日の3日間、指定解除にむけ、住民説明会を開催したが、これまで解除に反対する意見しか出ていない。