2014/03/17 - 20:34

「怒りの火薬、湿らせない」〜福島への思い新たに

 
3月8日から始まった「脱原発ウィーク」を締めくくるデモが15日、東京で行われ、主催者発表で約5500人が参加した。参加者は「被害者への保障を急げ」「川内原発の再稼働を許さないぞ」などと声を上げた。
 
デモと集会を主催したのは、作家の大江健三郎さんや澤地久枝さん、ルポライター鎌田慧さんらが呼びかけている「さようなら原発1000万人アクション」。日比谷野外音楽堂で「フクシマを忘れない!さようなら原発3.15脱原発集会」と題した集会には、5000人を超える人が詰め掛けた。
 
ハイロアクション福島の武藤類子さんは、被災者たちの間には、「『忘れたい』と『忘れるものか』のせめぎ合い」があると、その苦しい心情を報告。茨木のり子さんの詩『内部からくさる桃』を引用し、「原発が収束しない不安の中、人々はものも言わなくなっている。この福島を置き去りにすれば人権侵害はどこでも起きる。怒りの火薬を湿らせてはならない」と訴えた。
 
また呼びかけ人の大江健三郎さんは「安倍首相は鹿児島の川内原発の再稼働をしようとしている。その責任をどうとるのだろうか。」とした上で、「物事がうまく行かなかったは時は、その場を去ることが責任を取るということだ」と安倍首相の退陣を求めた。
 
デモは午後2時30分に出発。東京電力本社前では、参加者がビルに向かってプラカードを掲げながら、「事故の責任を取れ」「汚染水対策を急げ」などとシュプレヒコールを繰り返した。東京の三鷹市から参加した杢大(もくだい)美根子さんは、原子力規制委員会が九州電力川内原発の安全審査を優先的に進める決定をしたことについて、「悔しい。理解できない」と憤る。地道に声をあげ続けたいと、今月23日、シングルマザーが中心の「ママデモ」を企画している。
 
反原発に取り組んでいる市民団体によると、「脱原発ウィーク」の期間中に行われた反原発関連の催しは、国内外あわせて約160にのぼる。
 

 

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