国会事故調査委員会の田中三彦元委員が7日、東京・永田町で記者会見を開き、昨年2月に福島第1原発の現地調査を計画したところ、東京電力から虚偽の説明を受けて、現地調査を断念していたことを明かした。現地を再調査する必要があるとして、衆参両議院の議長宛に要請文を提出した。
昨年2月、国会事故調査委員会は福島第1原発の1号機原子炉建屋内で調査する計画を立てたが、東電の玉井俊光企画部部長(当時)はビデオを見せながら「建屋の中は真っ暗で調査は危険」と現地の同行は出来ない旨を説明。この結果、国会事故調査委員会は調査を断念していた。しかし、実際には、外光が入って明るかっただけでなく、照明も設置されていたことが分かった。
東電は朝日新聞の取材に対し、「何らかの意図を持って虚偽の報告をしたわけではない」と回答しているが、これについて、弁護士の伊東良徳元国会事故調協力委員は、「この日の主題がこの問題で、勘違いで間違えるわけがない」と批判。地震による影響について、調査させないという意図的な背景があったのではないかとの考えを示した。
田中氏は「国会事故調を愚弄している」と怒りをあらわにし、「再調査により、地震による損害があったかないかの判断がつく。地震の損害があったとすれば、津波以外の被害も要素としてからんでいたということになり、日本中の原発の耐震設計基準の問題に発展する可能性がある」と再調査の必要性を訴えた。
国会事故調査委員会報告書に記載された該当箇所(p229)
http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3856371/naiic.go.jp/blog/reports…