福島第一原発事故
2011/06/26 - 00:32

学校の集団疎開求め仮処分申請〜郡山の子ら14名

福島県郡山市の小中学校に通う子ども14人が6月24日、郡山市に対し、福島第1原発事故で放射線被害の恐れが強いとして、学校ごと集団疎開するよう求める仮処分を福島地裁郡山支部に申し立てた。原発事故による子どもの被曝をめぐって司法判断を求める初のケースとなる。
 
子どもの被曝放射線基準をめぐっては、文部科学省が4月、校庭の利用制限基準を年20ミリシーベルトと通知したが、保護者らの反発を受け5月末に、国際放射線防護委員会(ICRP)が一般人の線量限度として定めている年間1ミリシーベルト以下に抑える目標を示している。しかし、文科省などのモニタリングデータを試算すると、14人が通う小中学校7校の放射線の空間線量は、爆発事故があった3月12日からの5月25日までの75日間だけの積算で既に3.80~6.67ミリシーベルトに達するという。このため、外部被曝だけで1ミリを大幅に超えており、被ばくによる健康被害の恐れがあるとして、父母らは、安全な地域への学校ごとの集団疎開を求めている。
   
弁護団の試算によると、福島県内の市部の小中学校計266校のうち、年間の積算線量が1ミリシーベルトを超えないのは5校だけ。線量の比較的低い会津でも1校に留まるという。申し立て後、郡山市内で記者会見した弁護団の井戸謙一弁護士は「福島県内すべての子どもたちが安全な場所で授業を受けられるようになることが目的」と語った。
 
井戸弁護士は、3月まで金沢高等裁判所の裁判官。2006年、石川県北陸電力志賀原発2号機について、原発の運転を差し止める判決を言い渡している。

 

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