ベトナム戦争をめぐる2つのドキュメンタリー映画が日本で初めて劇場公開される。『ハーツ・アンド・マインズ/ベトナム戦争の真実』はベトナム戦争終戦の1年前、1974年に制作された。この作品は、第47回アカデミー賞で最優秀長編ドキュメンタリー賞を受賞している。アメリカ、ベトナムを舞台に、大統領や政治家、元兵士やその家族など、戦争を体験した様々な人々の証言を積み重ね、ベトナム戦争の実像に迫っている。
『ウィンター・ソルジャー/ベトナム帰還兵の告白』は、米軍がベトナムで行った戦争犯罪や残虐行為を証言する“ウィンター・ソルジャー公聴会”を記録した作品。100人を超える帰還兵が参加したこの公聴会で、彼らの口から語られるあまりに衝撃的な証言の数々―。しかしこれらの証言は、一部メディアを除き、ほとんど報道されることはなかった。
戦争は兵士という殺人兵器を産み、普通の人間を壊し、人々の心に深い傷を負わせる。2つの映画から浮かび上がるのは、ただただ無意味で、悲劇でしかない戦争の実態だ。
ベトナム戦争勃発から50年、終戦から35年が経った。しかしアメリカは、アフガニスタンやイラクをはじめ、今なお戦争が止められない。『ハーツ・アンド・マインズ/ベトナム戦争の真実』に登場する帰還兵は、我々は何か学びましたか、という問いにこう答えている。 「目を背けている」
この言葉は今を生きる私たちにも向けられている。
ベトナム戦争勃発から50年
映画で見る戦争(ベトナム)の真実
「ハーツ・アンド・マインズ/ベトナム戦争の真実」
「ウィンター・ソルジャー/ベトナム帰還兵の告白」
6月19日(土)より、東京都写真美術館ホールにて同時公開
公式HP
http://www.eigademiru.com