私たち人間にとって、水がかけがえのないものであり、その汚染が地球的な問題になっていることは知っていた。しかし、水をめぐる利権が、国際資本や政治家も絡んで、深く広く世界を侵食しており、それが汚染ともつながっていることは、この映画を見て初めて知った。そもそも、これだけ多くの国や自治体で水道事業が民営化され、水資本が利潤をむさぼっていることは、普通の日本人には信じられないだろう。「20世紀が“石油戦争”の時代だとしたら、21世紀は“水戦争”の時代」というのはたしかだ。ノンフィクションの映画化で、内容が説明的なのはやむを得ない。ボトルの水を多用している自分の生活を見直さなければ、と思った。
監督:サム・ボッゾ(2008年/アメリカ/90分)