アムネスティ・インターナショナル日本など3団体は15日、東京の外国人特派員協会で会見を行い、谷垣禎一法務大臣が2月21日に3人の死刑を執行したことに対して抗議し、死刑執行の即停止と廃止の議論を求める声明文を発表した。安倍新政権は政権発足後、わずか2ヶ月で死刑執行を行っている。
声明文を発表したのは、アムネスティ・インターナショナル日本とNPO法人監獄人権センター、死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90など、死刑廃止を求めて活動している3つの市民団体。
声明文では、現在、死刑執行国が20カ国程度で減少傾向であり、世界の7割の国が死刑を廃止している現状を説明。死刑は、国際的な人権基準に反している非人道的な制度であること、また、日本の死刑制度の問題点について、取調べが可視化されていないことや、十分な審理を経ないまま死刑が確定していること、死刑が執行直前に知らされ生きる権利のための防御権を行使できないことなどを指摘している。
安田好弘弁護士は会見で「世界は死刑廃止の流れにあるが日本は逆。安倍政権は死刑を執行することに対して、躊躇する思いを持っていない。積極的に死刑執行をしようとしているのではないか?」と批判。アムネスティ・インターナショナル日本の若林秀樹事務局長は、「死刑執行を速やかに停止し、死刑廃止に向けた社会的な議論を開始すべきだ」と訴えた。
声明文は後日、安倍晋三首相や谷垣大臣、日本にある各国の大使館に届けられる。
関連サイト
アムネスティ・インターナショナル日本
http://www.amnesty.or.jp/human-rights/topic/death_penalty/
報告書「2011 年の死刑判決と死刑執行」
http://www.amnesty.or.jp/library/report/pdf/Report_Death_sentences_and_e…