働く労働者にとって過酷な労働環境の企業、いわゆるブラック企業を選ぶ「ブラック企業大賞2013」のノミネート企業が27日、発表された。ウェブからの一般投票などを経て、8月11日の授賞式で大賞が発表される。
労働問題に取り組む団体や弁護士、ジャーナリストらでつくる「ブラック企業大賞実行委員会」は27日、都内で記者会見を開き、20代の女性従業員が過労死した「ワタミ」をはじめ計8社をノミネートした。ほかに、飲食業として「ステーキのくいしんぼ」を展開するサン・チャレンジ、「餃子の王将」を経営する王将フードサービスが選ばれた他、若い女性に人気の高いファッションブランド「Eath music&ecology」などを展開するアパレルメーカークロスカンパニー 、日本郵便と業務提携した西濃運輸 、小売り業の東急ハンズ。また教育業として、ベネッセコーポレーションと東北⼤学など馴染みの企業、法人が選ばれた。ワタミが2年連続でノミネートされた一方、離職率の高さや柳内正会長の「年収100万円」発言が注目を集めているユニクロはノミネートされなかった。
ブラック企業が生み出される背景や社会構造について広く伝えようと去年スタートした「ブラック企業大賞」。労働法違反やそれに近い労働環境にある企業や、セクハラ・パワハラなどが横行している企業など、全て具体的な事件に基づいて選考している。労働問題に詳しい佐々木亮弁護士は、20〜30代の若い労働者が、過酷で劣悪な労働環境なもと、自殺にまで追いつめられる現状など、8社のノミネート理由を1社1社丁寧に説明した。また、ユニクロがノミネート企業に入らなかったユニクロは、慎重に議論した結果、具体的な事例を見いだせなかったため除外したと説明した。
首都圏青年ユニオン青年非正規労働センターの河添誠さんは、「世の中には私たちが知らないブラック状態にある企業がたくさんあるのだと思う。労働者自身が立ち上がらないと問題が見えてこない。ブラック企業状態で働いている皆さんには声をあげていただき、お手伝いをしていきたい」と訴えた。
同実行委員会は、昨年は、大賞に東京電力、市民賞にはワタミが選ばれている。
ブラック企業大賞2013 授賞式
日時:8月11日(日)14時~17時
会場:在日本韓国YMCA 地下1F スペースYホール
http://www.ymcajapan.org/ayc/hotel/jp/access-access.html
関連サイト
ブラック企業大賞 ノミネート理由
http://blackcorpaward.blogspot.jp/2013/06/blog-post.html
ブラック企業大賞 ウェブ投票実施中
http://blackcorpaward.blogspot.jp/