政府が指定した「国家秘密」を漏らしたり、情報を得ようとした人が処罰される「特定秘密保護法案」の国会審議が緊迫する中、21日、東京の日比谷野外音楽堂に市民が1万人が集まり、法案反対の怒りの声を上げた。集会後、国会へデモ行進を行い「知る権利を侵害するな」「秘密保護法反対」と訴えた。
集会とデモを呼びかけたのは、市民グループの平和フォーラムや秘密法反対ネット、日本新聞労働組合連合など5団体。平日の呼びかけにもかかわらず、集会開始前には、日比谷野外音楽堂の定員である4000人を超える人が押し寄せた。入場制限がかかり多くの人が会場の外で見守るなか、18時30分に集会がはじまった。
集会では、主催の秘密法反対ネットの海渡雄一弁護士が挨拶に立ち、同日に全国14カ所で集会が行われていることを紹介し、「みんなの党や維新の修正案に対してふざけるなと言いたい。首相を第三機関にするのでは、原案より悪くなっている」「政府と国会に怒りの声をぶつけ、国会中の成立を阻止し、完全廃案に追い込んでいく」と訴えた。
日本新聞労働組合連合の日比野敏陽さんは、「この法案はジャーナリストをなめきっている。広報発表しか書くなと国が言っているようなものだ」と批判した。
集会の最後に「秘密保護法は市民の知る権利、取材・報道の自由、表現の自由を侵害し、市民の生命と安全を脅かす稀代の悪法です。直ちに廃案にすべき」とアピール文が読み上げられると、会場からは大きな拍手が沸き起こった。
その後、次々に請願デモが出発。日比谷公園から霞ヶ関を練り歩き、国会議事堂が見えてくると「秘密保護法反対!戦争反対!」と大きな声で訴えた。国会の衆・参議院の議員面会所前では、秘密保護法に反対する衆参の民主党、共産党、社民党の国会議員が出迎えた。
神奈川県相模原市からかけつけた女性は、「原発の反対運動をずっとしてきた。一番最初に隠されそうなので絶対来なければと思った。主権は国民にある。隠さないで全部見せてください」と訴えた。杉並から参加した若者グループの男性は、「僕たちの知る権利や、国が何かを秘密にする危うさを、政治家はもっとしかっり考えて欲しい」「秘密保護法は絶対だめ」と訴えた。