福島県南相馬市小高区。東京電力福島第一原子力発電所から20キロ圏内に位置し、原発事故後に「警戒区域」に指定された。今もおよそ1万2000人の住民が避難生活を送っている。その小高区で唯一の中学校だった小高中学校は、現在、原発から北に37キロ離れた鹿島小学校の一角に建てられた仮設校舎で授業を行っている。
小高中学校の生徒数は340人から100人弱に減り、子どもたちの6割が仮設住宅で暮らし。毎日、バスで通学している。仮設校舎には、美術や家庭科などの専科の教室はなく、音楽室にはピアノ以外の楽器はない。
将来の見通しが立たない中、困難な環境に置かれている生徒たち。仮設校舎から巣立つ3年生の姿を追った。
YouTube版「群青~仮設校舎での卒業式」
「群青」
作詞:福島県南相馬市立小高中学校平成24年度卒業生(構成:小田美樹)作曲:小田美樹
ああ あの町で生まれて 君と出会い
たくさんの思い抱いて
一緒に時間を過ごしたね
今 旅立つ日 見える景色は違っても
遠い場所で 君も同じ空 きっと見上げてるはず
「またね」と 手を振るけど 明日も会えるのかな
遠ざかる君の笑顔 今でも忘れない
あの日見た夕陽 あの日見た花火 いつでも君がいたね
あたりまえが 幸せと知った
自転車をこいで 君と行った海
鮮やかな記憶が 目を閉じれば 群青に染まる
あれから2年の日が 僕らの中を過ぎて
3月の風に吹かれて 君を今でも思う
響け この歌声
響け 遠くまでも
あの空の彼方へも 大切な すべてに届け
涙のあとにも 見上げた夜空に 希望が光ってるよ
僕らを待つ 群青の町で
きっと また会おう あの町で会おう
僕らの約束は 消えはしない 群青の絆
また 会おう 群青の町で