1部
映像報告「県境を超えてつながる母親たち」上映(OurPlanet-TV制作/2016年/26分)
現場報告「保健室の現場から」〜佐藤ゑみ(元養護教諭)
2部:トークセッション「保健室と地域は何ができるのか」
東京電力福島第一原子力発電所事故により、東北から関東の幅広い地域に放射性物質が拡散しました。しかしこの6年間、国の責任による検診は一切、実施されていません。こうした中、地域で暮らす住民や学校の関係者は一体、何をすべきなのか。OurPlanet-TVはこの2年、養護実践研究センター、「チェルノブイリ被害調査・救援」女性ネットワークとともに、養護教諭、市民、自治体などに対する調査や取材を重ねてきました。その成果の一部が7月5日、書籍として刊行されます。その出版を記念した、報告シンポジウムをライブ配信しました。
登壇者 プロフィールはこちら
大谷尚子(養護実践研究センター)
吉田由布子(「チェルノブイリ被害調査・救援」女性ネットワーク)
白石草(OurPlanet-TV)
佐藤ゑみ(元養護教諭)
松田智恵子(養護教諭)
木本さゆり(放射能からこどもを守ろう関東ネット共同代表・関東子ども健康調査支援基金)
岩波ブックレット
「3・11後の子どもと健康~保健室と地域に何ができるか?」
第1章 原発事故後、これまでと同じでいいの?
第2章 無責任な国を前に~動き出す地域の取組み
第3章 学校と地域何ができるか
第4章 子どもに真摯に向き合うことから~5つの視点
2017年7月5日岩波書店より刊行(96ページ)
著者:大谷尚子・吉田由布子・白石草 著/価格:660円(税別)
登壇者プロフィール
大谷 尚子(養護実践研究センター)
東京大学医学部保健学科を卒業し、東京教育大学(現,筑波大学)附属駒場中・高等学校の養護教諭として勤務。その後、茨城大学と聖母大学で養護教諭養成にかかわる。茨城大学名誉教授。養護実践研究センター代表。著書に「養護教諭のための養護学概論」「『あなたが大事』の伝え方―保健室と養護学からのヒント」(ともにジャパンマシニスト社)ほか。
吉田 由布子(「チェルノブイリ被害調査・救援」女性ネットワーク)
「チェルノブイリ被害調査・救援」女性ネットワーク事務局長。90年よりチェルノブイリの子ども達の健康被害を調査。3・11後は、ロシアやウクライナで日本の現状を報告してきている。著書に『未来世代への「戦争」が始まっている』(岩波書店)『放射能汚染が未来世代に及ぼすもの』(新評論)(いずれも共著)ほか。
佐藤 ゑみ(元養護教諭)
宮城県内で公立小中学校の養護教員歴41年。現在は保育園の病後児保育の仕事に従事している。2011年3月11日の東日本大震災・東電福島原発事故後、自分にできることは何かと模索している。他人から見たら「そんなささいなこと」と言われそうなことでも、生活者として抗いたい。「あの日、近所のおじさんが〃外に出るな!放射能だ〃と言って回っていたんだ」と中学生が語る。私もそんな風に、地に足を着けた人になりたいと思う。
松田 智恵子(養護教諭)
宮城県公立小中学校養護教諭。2011年の福島第一原発事故後、放射能汚染の現実に直面し、地域の教育研修活動で放射能問題をテーマにした講演会や学習会の開催と、市民活動に参加し地域の除染や食品汚染測定、健康調査等の課題の学習や交流に取り組み、保健だよりや健康相談を通しての実践指導に取り組んでいる。
木本 さゆり(放射能からこどもを守ろう関東ネット共同代表・関東子ども健康調査支援基金)
千葉県松戸市在住、一男一女の母。3・11後、関東のホットスポットで、子どもたちを放射能による健康被害から守るためにできた市民団体などで構成される「放射能からこどもを守ろう関東ネット」の共同代表。関東の子どもたちの健康調査を支援するために創設された「関東子ども健康調査支援基金」の共同代表も務める。
白石 草(OurPlanet-TV)
放送局勤務を経て、2001年に非営利の独立メディアOurPlanet-TVを設立。マスコミが扱わないテーマを中心に番組を制作・配信。3•11後は原発事故に関する取材を重ね、「放送ウーマン賞」「科学ジャーナリスト大賞」を受賞。著書に『メディアをつくる~「小さな声」を伝えるために』『ルポ チェルノブイリ28年目の子どもたち』(ともに岩波書店)ほか。