財務省の福田淳一・前事務次官のセクハラ問題について、麻生太郎財務大臣が「セクハラ罪っていう罪はない」などと発言し、セクハラを認定した財務省とは異なる説明をしたことを受けて7日、東京・霞ヶ関の財務省前には抗議する女性たちが集まり「麻生大臣は謝罪してください」と声を上げた。
報道によると麻生大臣は4日、訪問先のフィリピンでの記者会見で、女性記者へのセクハラ問題について「福田氏がセクハラを否定していて、両者から言い分を聞かないと公平さに欠ける」と述べ、財務省が福田氏のセクハラ行為を認定し、減給処分としたこととは異なるような説明を行った。また麻生大臣は「セクハラ罪っていう罪はない」「殺人とか、強制わいせつとは違う」などととも発言したという。
これに対して抗議を呼びかけたのは、大学教授や弁護士、市民団体のメンバーら「セクハラ被害者バッシングを許さない実行委員会」。財務省前の他、札幌、京都、大阪、奈良などでも同時に抗議行動が行われた。雨が降る中、財務省前には女性を中心に約70人が集まり怒りの声を上げた。
NPO法人アジア女性資料センターの濱田すみれさんは、麻生大臣がいまだにセクハラの認識がないことを指摘。「大臣の発言がまた被害者を傷つけている」と批判した。大学院生の是恒香琳さんは「セクハラを軽視するような認識と闘わないといけない。麻生大臣は早く辞めてください」と訴えた。
19時になると、中央学院大学の皆川満寿美准教授の呼びかけで、参加者が一斉にプラカードを掲げて、「With You」「セクハラは許さない」「麻生大臣は謝罪してください」と声を上げた。