「黒い雨」検討会の「フルオープン取材」を要請しました
厚生労働省
田村憲久大臣殿
代表理事白石草
冠省 貴厚生労働省はいわゆる「黒い雨」裁判で敗訴したことを受け、今年8月、控訴をするとともに、援護地域などの再検討を行う検討会を設置することを決めました。その初会合が、今月16日にも開かれるとの報道に接し、私たち特定非営利活動法人OurPlanetTVは、同会議をインターネット中継をすべく取材の申し込みをいたしました。
ところが貴省は、新型コロナウィルス感染症感染拡大防止の観点から撮影場所が確保できないことなどとして、「カメラ撮りは会議の冒頭のみ」と回答。また傍聴者も若干名に制限するため、抽選を実施するとしています。
しかし本検討会は社会的にも関心の高い上、会議の結論に直接関わる原告が存在しているおり、透明性の確保が欠かせません。原告の方々を尊重するのであれば、会議を積極的に公開できるよう「フルオープン取材」を認めるべきです。むしろコロナ禍にあり、原告の多くが開催場所からはるかに遠い広島県に在住していること、病気がちな高齢者であること、傍聴席を少数に絞り込んでいることなどを鑑みれば、「インターネット中継」はむしろ歓迎されるべきものと考えます。
私たちはこれまでも「原子力安全委員会(内閣府・当時)」や「原子力損害賠償紛争審査会(文部科学省)」「廃炉・汚染水対策福島評議会(経済産業省)」「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議(環境省)」「東電福島第一原発作業員の長期健康管理等に関する検討会(厚生労働省)」など、「頭撮り」に限定されていた会議について「フルオープン化」の要望を行い、結果的に、全ての会議で「フルオープン化」および「インターネット中継」が実現しております。とりわけ厚生労働省の「東電福島第一原発作業員の長期健康管理等に関する検討会」では、撮影しやすいよう机の配置なども改善いただくなど、丁寧なご対応いただきました。
来る11月16日(月)に開催されます検討委員会におきましても、フルオープンでの撮影を希望します。現場での不要な衝突を避けるためにも適切な対応を希望いたします。