フルオープン化を求め環境大臣に申し入れ〜最終処分場問題
OurPlanetTVは去る1月23日、指定廃棄物の最終処分場に関する全ての会合において、取材制限を撤廃するよう求める要望書を、環境省の望月義夫大臣宛てに送付しました。
最終処分場の会合取材をめぐっては、環境省が認めているのは冒頭5分程度の撮影のみ。それ以降のビデオ撮影は認めおらず、11月に開催された栃木県における市町村長会議も、ビデオカメラは途中退席を求められました。これに対し、環宮城県の加美町や栃木県の塩谷町は、議論の過程をすべて公開するよう求めていますが、環境省は今なお拒否を続けています。
環境大臣 望月義夫殿
特定非営利活動法人OurPlanet-TV
代表理事白石草
冠省 貴省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部指定廃棄物担当参事官室は、指定廃棄物の最終処分場をめぐる市町村長会議や自治体との面談などにおいて、「カメラ撮りは会議の冒頭のみ」と限定しており、フルオープンでの撮影を認めておりません。その理由について担当者は、「環境省としてはカメラを入れたくない」「カメラのシャッター音が議事の妨げになる」と説明しています。
しかし、東京電力福島第一原子力発電所事故以降、原発事故の処理や被ばく問題等に伴う会議に関しては、「原子力安全委員会(内閣府・当時)」「原子力損害賠償紛争審査会(文部科学省)」「廃炉・汚染水対策福島評議会(経済産業省)」「低線量被ばくのリスク管理に関するワーキンググループ(内閣府)」「福島県民健康管理調査検討委員会(福島県)」「東京電力福島第一原子力発電所の事故に関連する健康管理のあり方検討チーム(原子力規制委員会)」「帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チーム(原子力規制委員会)」「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議(環境省)」「東電福島第一原発作業員の長期健康管理等に関する検討会(厚生労働省)」など全てがフルオープンで開催されてきました。
貴省総合環境政策局環境保健部 放射線健康管理担当参事官室が運営する「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」は、当初「冒頭のみ」でしたが、私たちの要望に対し、井上信治副大臣が「住民の信頼にとって透明性の確保こそ重要」と決断し、3回目の会議からフルオープンとなりました。
除染に伴う廃棄物処理は、住民にとって最も関心の高い課題です。次回1月28日(水)に開催されます「第4回茨城県指定廃棄物処理促進市町村長会議」よりフルオープンでの撮影を希望します。現場での不要な衝突を避けるためにも、適切な対応を希望いたします。
草々
指定廃棄物は、福島第一原子力発電所事故に伴う除染などで生じた放射性廃棄物のうち、1キログラムあたり8000ベクレル以上のものを指します。指定廃棄物が多い茨城県、栃木県、群馬県、宮城県、千葉県の5つの県は、環境省がそれぞれの県内に焼却施設と最終処分場を新たに建設することとしていますが、その手続きや検討プロセスが不透明であると批判を受けています。こうした過程を記録することは、メディアにとって非常に重要なことだと考えております。ぜひ、OurPlanetTVをはじめとする映像メディアが、会合や面談を全て撮影できるよう、環境省に、皆様の声を届けていただけますようよろしくお願いいたします。