「トランスジェンダー追悼の日」となる11月20日、映画監督らが記者会見を開き、トランスジェンダー差別に反対する声明を公表した。映画監督の東海林毅さんらが呼びかけ、映画監督97人が賛同した。
声明では、「近年、LGBTQ+とりわけトランスジェンダーの人々を標的とした苛烈な差別言説が社会に溢れている」と指摘。「映画作品内において偏見や差別に晒されている少数派の人々を描く際には細心の注意が必要」とした上で、「 映画作品がLGBTQ+の人たちを社会から排除することに加担してはならない」との訴えた。また、観客や制作者の中にも当事者が存在しているとして、それらの当事者が安心した環境で鑑賞や労働に関われるよう、差別、偏見に反対すると明言した、。
呼びかけ人代表の東海林毅さんは、「映画監督は差別に無関心ではいけないし、差別や偏見に常に自覚的でなくてはいけない」と述べた、また、俳優の中村中(あたる)さんは、過去に女装した男性の役を求められた時、監督がトランスジェンダーについての知識がなく、差別的な発言に晒された経験に触れ、非常に苦痛だったと語った。
トランスジェンダー追悼の日( Transgender Day of Remembrance)は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州でトランスジェンダーへの嫌悪を理由に、アフリカ系アメリカ人が惨殺された翌年、追悼を行ったことに由来する。トランスジェンターへのヘイトクライムや殺害、自死が増える中、2020年以降、バイデン大統領やアメリカ政府も追悼するようになった。