同性婚を認めない民法や戸籍法の規定は憲法に違反するとして、同性のカップル7人が国を訴えた裁判で、8日、違憲判断を示した東京高裁判決を高く評価した一方、国の損害賠償を認めなかったことなどを不服として、原告全員が最高裁に上告した。
東京高裁は先月、「法の下の平等」を保障した憲法14条1項と、個人の尊厳に立脚した婚姻・家族の立法を求める憲法24条2項に反するとして、「違憲」とする判決を下していた。
上告後の記者会見で、原告代理人の上杉崇子弁護士は上告の理由について、「婚姻の自由」を定めた憲法24条1項が同性カップルにも保障されることを明言しなかったことなどを挙げ「不十分な点があり、看過できない」と説明した。自身が起こした同性婚裁判について「自分にとって価値のある時間だったと思いたい」と話す原告の大江千束さんは、札幌と東京の2箇所の高等裁判所で違憲判決が出ていることを踏まえ、最高裁を待たず「このまま国会で議論が始まり、立法化に進んでいきたいという気持ちはもちろんありますが」と述べたうえで、「さらに価値のある時間にしたい」と最高裁に歩を進めることへの決意をあらたにした。大江さんのパートナーで同じく原告の小川葉子さんは「これからの若い世代の方々が希望を持って生きていけるような国になってほしいので、私も最高裁に一歩踏み出したい」と語った。