リニア中央新幹線予定地のの周辺に住む住民らが、工事の認可取消しを求めてJR東海と国を訴えている裁判の控訴審第2回口頭弁論が27日、東京高等裁判所で行われた。リニアの工事により、今年5月に岐阜県瑞浪市の水源が枯渇して初の口頭弁論。原告側は、「これまで住民らが主張してきた不安が的中した」と述べ、JR東海の事前調査の不足を指摘した。
枯渇した水源地を訪れた樽井直樹弁護士は法廷で、現場の写真を投影しながら状況を説明。地域住民の多くが、JR東海の不誠実な態度に不信感を募らせているなどとして、「(一審)判決は取り消すべき」と主張した。また、JR東海が新たな井戸を掘ると明言していることについても、「水源はどうなるんだ」との声が上がっていることを紹介した。
原告団長の川村晃生さんは裁判後の報告集会で「私たちから見れば、(水源の枯渇は)当たり前のことが起きたに過ぎない」と指摘。マスメディアの報道が増えたことについて、「リニア工事に対する不信が浸透しつつあるのではないか」と述べた。また、弁護団事務局長の横山聡弁護士は、「JR東海の調査不足に起因することは明らか」「これだけ長大なトンネルの調査を、3年程度でやる計画が無理だったはず」と批判した。
東京高裁は第3回口頭弁論の期日を10月10日、第4回口頭弁論を25年1月23日に指定しており、横山弁護士は「期日までにまた何か起こるのではないか」「なるべくリニア工事に着手させないよう努力したい」と述べた。