旧優生保護法下で、子どもを産めなくさせられる不妊手術を受けさせられた人たちが、国に損害賠償を求めた裁判で29日、最高裁判所で弁論が行われた。
この裁判は、障害などを理由に、強制的に不妊手術を受けさせられた人が国を訴えたもので、東京、大阪、北海道、宮城、兵庫の地方裁判所に提訴した9人が法廷で、手術を受けさせられた苦しみを訴えた。
14歳で、不妊手術を受けた北三郎さん(仮名)は、長年、妻にも手術を隠してきたこと、自分の他にも2万5000人もの被害者がいることを知り、強い気持ちで戦ってきたことを語った。
そして、法廷にいる人に向け「子どもを産む、産まないは、人から勝手に決められることではありません。同じ悲劇を絶対に繰り返してはいけません。この判決が、自分のことを自分で決められる社会につながることを、心から願っています。最後のとりでの戦い。幸せを持って帰りたいと思います。」と締め括った。