東京電力福島第1原発事故後、福島県から神奈川県に避難してきた住民ら56世帯167人が国と東電に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は26日、一審の判断を覆し、国の賠償責任を認めない判決を下した。東電には計約4億5800万円の賠償を命じた。
2019年2月の一審判決は、貞観地震の知見に基づく東電の報告を受けた2009年9月時点で、「津波の予見ができた」として、国と東電の責任を認め、約4億1963万円を支払うよう命じていた。
原告代表の村田弘さんは「ただ悔しい」を唇をふるわせ、「一審と二審と何も事実は変わっていないのに、なぜ異なる判断になるのか。」と悔しさを滲ませた。2022年6月に最高裁が、国の責任を認めない判断を下してから、これまでに判決が出た原発損害賠償訴訟6件すべてで、国の責任を認めない判断が下されている。